教科書を読むと「なあ−るほど」と思う。
「だからコールオプションの売りっていうのは危険だな」とも思う。
ここで少し冷静になって考えてみよう。
世の中に「無限大の損失」を受け入れる人間なんているのだろうか。
売り手のリスクをなくすものは何か「無限大のリスクを受け入れる」という行為は概念としてはありえるのだが、実際のビジネスの世界にはないはずである。
生命保険や損害保険の契約がそれに近いが、いずれも保証の上限額が定められている。
だが、コールオプションを売る時は上限額などないのである。
「ラーメンの市中価格にかかわらず100円で売るよ!そのかわり0円ちょうだい!」というのはいいのだが、もしもインスタントラーメンが1個100万円になったらどうするというのだ。
99万9890円の損失である。
16世紀から17世紀にかけてオランダで起きたチューリップの球根の価格の高騰「チューリップバブル」では、球根の価格が市民の平均年収の30倍になったという。
平均年収を500万円とすると億5000万円である。
インスタントラーメンにバブルが起きないと誰が断言できようか。
インスタントラーメンが1億5000万円になったとしたら、オプションの売り手の損失は’億4999万9890円である。
インスタントラーメンのせいで破産の憂き目に遭うのである。
問題はバブルにあるのではない。
このような巨額の損失を負う可能性がある「コールオプション」の売り手が存在するのか、というのが問題である。
誰だって損を出すのは嫌だから、本能のおもむくままに考えれば、コールオプションの買い手はいたとしても、売り手はいないはずなのだ。
現実にオプション取引が成立しているということは、売り手が存在するということである。
売り手はただひたすらリスクが大好きで無謀なのであろうか。
もちろんそんなわけはないのだ。
なんらかの理由がない限り「売り手」は存在しえない。
Aさんがラーメン・コールを売ったとしよう。
その後、ラーメンの価格がどんどん上昇すると、それだけAさんの損失は膨らむ……のだが、これはAさんが新たに市中でラーメンを購入しなければならない場合である。
Aさんがラーメン製造業者であって、もともとラーメンの在庫をいっぱい持っていたのなら話は異なる。
Aさんはその在庫として眠っているラーメンを1個取り出してきて、オプションの行使者に渡せばいいだけである。
眠っている資産が利益を生む!Aさんが在庫ラーメンをいくつか抱えていたとしよう。
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